育児カウンセリング

育児カウンセリングについて
現在、子どもの生活環境に関する社会問題が深刻化しています。
都市化、少子化、核家族化、国際化、地域コミュニケーションの衰退、共稼ぎ、
ひとり親、離婚、再婚、教育の変化、経済的困窮、虐待などさまざまな問題がクローズアップされて、
新米ママの育児に関する悩みは、昔の育児よりも、とても複雑になってきているのではないかと思います。
国家は、少子化問題として子どもや子育てはとても大切なことだと謳い、
政策を豪語する一方で、発達障害の増加、子どもの虐待の急増、貧困やネグレクト、
イジメや自殺など、子育てのマイナス情報ばかりを伝えています。
「子育てにプラスの情報はないの?」「安心できる方法は?」と、新米ママたちは不安になってしまいますよね。
子育てに迷い、恐れてしまわなくても大丈夫です。
環境のみだけで子ども達の性質は決まらないです。生まれながらにもっている気質、遺伝的な素因により、
この子にとっては良いこと、嬉しいことでも、あの子にとっては悪いこと、嫌なことだってあります。
だから他の子と比べて、自分の子育てに正解を求めなくていいのです。

私の恩師であり、メンターの井原成男先生は、育児に徹底的な意味での失敗はない。
失敗も成功も、将来に向かう意味のある経験なのだと仰っています。
親子はかけがえのないペアであり、良くも悪くもそれは、わが子と共に作り上げた、かけがえのない成果だからです。
先生は、子育てにつまずいたら振り返り、足りなかったものを埋め直し、
育て直せばいいいという「育てなおし」を推奨しています。
また、精神科医であり小児科医であったイギリスの児童分析医のウイニコットが強調した
「good enough mother」という言葉がありますが、これは「ほどよい母」とか「ほぼ良い母」と訳されています。
子どもは完璧ではありません。育児に完璧を求めてしまうおかあさんは、
子どもにも完璧を求めてしまう。ウイニコットは、そこにいる子どもをそのまま受け入れました。
目の前にいる子どもを大切にすること、素直に自然、完璧を求めず、普通に愛せればいい。
(井原 2008)私が専門としている研究は大人の発達障害(アスペルガー症候群・ADHDを含む)です。
配偶者がこの特性をもっているご夫婦のカウンセリング実績も多々あり、お子様も含めた家族カウンセリングも行っています。
このご夫婦の中には障碍を抱えている子が多くいます。ご夫婦は、特に母親はさまざまな心の葛藤と戦いながら育児をしています。
ときに配偶者や自分を責め、育児に自信を失くし逃げ出したい気持ちに駆られことがある人もいます。
しかし、育児の環境や現状が完全に変わることはありません。
知らず知らずに導き出した育児の答えは、子どもの細かいことをいちいち気にせず、
ありのままの子どもを受入れることです。「ほどよい母」「ほぼ良い母」が丁度いい。
育児は、母親一人に任せられるほど負担の軽いものではありません。

家の中でお子さんと常に一対一で向き合っているお母さまの中には、
社会的活動と認められることが少なく、自身の身の回りのことも後回しとなって、
世間から隔絶された孤独を感じてしまう方も決して少なくはありません。
育児社会とは、政府が大々的に取り上げる問題よりもずっと小さな問題とストレスが蔓延る世界ですよね。
エテルノでは、そうした小さな事柄から虐待や家庭環境の重大な問題へと
繋がってしまったカウンセリング事例を参考に、母親たちの育児への不満や不安、
こうしてほしい、こんなサポートがほしいなどの、新米ママのメッセージをお伝えしようと思います。
子どもを本当に大切に思うのであれば、大勢の人の協力が必要です。
まずは傍にいる家族の協力を得て、精神的にも肉体的にも支えてもらうことが大切です。
誰にも相談できず、理解してもらえないのであれば、ぜひ一度カウンセリングにお越しください。
「自分はこれでいいんだ」と胸を張って育児をしていただきたい。そして福祉、行政、医療といった各種機関の協力はもちろん、
法律の助けも借りて、お子さんを守れるように一緒に考えて行きましょう。また、何よりもあなた自身の心の負担が少しでも軽減され、
一人じゃないと思えるよう、久遠ナオミはあなたのたった一人の味方であり続けたいと考えております。

「育てなおし」の発達心理学 福村出版