カサンドラ症候群の
カウンセリング

アスペルガー症候群・ADHDをもつ
パートナー・家族(カサンドラ症候群)の
カウンセリング

エテルノ代表の久遠ナオミです。
この度、アスペルガー症候群・ADHDをパートナーにもつ
カサンドラ症候群に陥ってしまわれた方、
陥ってしまいそうな方々の支援をさせていただくことに致しました。
(アスペルガー症候群・ADHDについての詳細は、「アスペルガー症候群・ADHDとは?」で確認して下さい。)
私がアスペルガー症候群・ADHDという大人の発達障碍を学び始めたのは、
アスペルガー症候群・ADHDが注目される以前で、法律事務所内でのカウンセリング経験、
当所でのクライエント様(承諾の上、今後事例をホームページ掲載予定)からの相談。
特に離婚にまで発展してしまった事案からでした。
当時、参考文献の少ないアスペルガー症候群・ADHDという障碍を学ぶことで相談者、
クライエント様に起こっているパートナーとの結婚生活、正体不明の違和感に共感できるようになりました。
近年注目されている高機能広汎性発達障碍(アスペルガー症候群・ADHDを含む)の概念は、
その普及によって精神科臨床場面における診断、治療や教育の場面における対応に多大な効果をもたらしました。
一方でこの障碍をもつ人たちが、社会で生活する上でもっているさまざまな問題点にも光を当てることになり、
さらには、この概念の普及があまりにも急速であったためか、
高機能広汎性発達障碍(特にアスペルガー症候群・ADHD)という用語が一人歩きし、種々の混乱をもたらしたことも事実です。
昭和大学付属鳥山病院のアスペルガー症候群・ADHDを中心とする大人の発達障碍の専門外来が2008年にスタートして以来、
年々増加傾向にあるようです。
しかしながら、アスペルガー症候群・ADHDの本人に向けての支援は耳にしますが、 その家族の対応はまだまだ少なく、その辛さを周囲にも理解してもらえず、 孤立感、孤独感に苦しめられているパートナー・家族(カサンドラ症候群)が沢山いらっしゃるのが現状です。
カサンドラ症候群からの回復はこのアスペルガー症候群・ADHDの障碍を受け入れることから始まります。
カサンドラ症候群の説明
「カサンドラ症候群:カサンドラ情動剥奪障碍(カサンドラしょうこうぐん:カサンドラじょうどうはくだつしょうがい)」とは、 アスペルガー症候群・ADHD(AS)のパートナー(主として夫)と情緒的な相互関係が築けないためにその配偶者(主として妻)に生じる、 身体的・精神的症状を表す言葉です。
アスペルガー症候群・ADHDの夫を持った妻は、コミュニケーションがうまくいかず、
解ってもらえないことから自信を失ってしまう。
また、世間的には問題なく見えるアスペルガーの夫への不満を口にしても、
人々から信じてもらえず、その葛藤から、精神的、身体的苦痛が生じてきます。
症状として偏頭痛、体重の増加または減少、自己評価の低下、パニック障碍、抑うつ、無気力などがあります。
アスペルガー症候群・ADHD(AS)は男性が女性の4倍ほど多いため、
カサンドラ症候群は妻の病気として書かれることが多いです。
アスペルガー症候群・ADHDが女性である場合は、AS男性をAS女性に置き換えて読む必要があります。
ここでは、男性をAS、女性を非ASとして説明します。カサンドラ症候群について理解を深めることは、
決してASの人を否定したり差別を助長したりするためではありません。
AS-非AS夫婦間に生じる問題の原因に向き合い、適切な支援を受け、
パートナーのお互いがより良い生き方を模索するためです。
カサンドラ症候群は妻だけでなく、家族、友人、会社の同僚にも起こるとされていて、
カサンドラ症候群を知ることは、定型-非定型のコミュニケーションのあり方を認識することであり、
つまりASの社会的認知度を高める手助けにもなると考えます。
(語源) カサンドラは「人々から決して信じてもらえない予言者」のことで、ギリシャ神話に登場する、 トロイの王女である。アポロンは彼女に予言の能力を授けたが、アポロンの愛が冷めて自分を去っていく未来が見えたカサンドラは、 アポロンの愛を拒絶する。アポロンは「カサンドラの予言を誰も信じない」という呪いをかけてしまう。カサンドラは予言の能力を残されたが、 未来の出来事を変えることも、予言の正当性を他の人たちに納得させることもできなかった。

努力で解決できるもの
ではないことです。
私はアスペルガー症候群・ADHDのパートナーについて「普通の方達より個性が強い、強いですね」
「強いこだわり・癖をお持ちのようですね」と言うことがあります。
これはアスペルガー症候群・ADHDのパートナーと共に生活してきた人なら理解できるでしょう。
アスペルガー症候群・ADHDの人とそのパートナーの関係は
、ワシとシマウマ、サボテンとバラ、岩と岩に向かって流れる水、などと例えられます。
アスペルガー症候群・ADHDの人は、はたから見ると「一見ちょっと変わっているけどいい人」です。
実際にパートナーに持たなければわからない理不尽さやストレスが、いつしかパートナーの精神に変調をきたしてしまう。
それはやがて、数々の肉体的な症状にも発展してしまいます。

「カサンドラ症候群」の背景
私は大人の発達障碍の家族、つまり夫や妻、恋人、同居している親、兄弟、子供達から、
発達障碍の人の言動や行動に振り回されてきたお話をたくさん伺ってきました。
夫婦間不和、暴力(DV)、児童虐待などがみられるケースも少なくありません。
アスペルガー症候群・ADHDだから暴力を振るうということはありませんが、
アスペルガー症候群・ADHDの方はその特性ゆえに虐待を経験しやすかったり、
イジメを受けたりすることもあります。そのような場合には、
それらの心の傷がトラウマとなって自身が暴力を振るうこともあります。
大人の発達障碍というハンディキャップがあることに本人も家族も気づいておらず、
「本人のわがままで自己中心的な性格の問題」として片付けられてしまいます。
家族は「夫(妻)の言動にうんざりしている。夫(妻)は私のことを理解してくれない。
物事をいつも自分流に行って、人の意見に聞く耳をもたない」など、強い不満を抱くようになります。
逆に発達障碍の人自身も、自分の問題に気づかず、自分の家族がなぜそんなに自分に不満を持っているのかさえ、
気づいていないことがあるのです。
発達障碍の人とパートナーは堂々巡りのケンカを繰り返し
「口やかましい人、聞く耳をもたない人」という関係になっていきます。
発達障碍の人がいると、家族は彼らに巻き込まれ、彼らの乱雑さや突発的な行動に家族全員が振り回され、
その後始末に追われます。家族のニーズは後回しにされるため、家族の不満はたまるばかりです。
たとえ家族全員が発達障碍の人のことをあきらめて、無視や放任状態にしたとしても、
最後は家族に被害が及ぶため発達障碍の人の言動に合わせていく、という方がたくさんいらっしゃいます。
クライエント様からの相談の中で一番危惧する問題は、発達障碍を抱えている夫婦では、
共依存的な関係が習慣になってしまう危険性があるということです。
それぞれの自立や責任を犠牲にしてまで、相手に関心を注いでいる状態です。
たとえば、発達障碍の人は自分が起こした問題をすぐパートナーのせいにしたりします。
一方、パートナーはすべて自分の責任と思いこみ、トラブルの後始末も一人で引き受けるのが習慣になっていきます。

また、家庭内では彼らのしつこさや自己主張の強さ、こだわりが原因となったトラブルや、
家庭不和の問題もあります。本人は自分勝手にしているつもりはなくても、
結果的にそれで不和が生まれることになります。
自閉的な特性の強い夫にはヒステリックな妻、
というパターンが多く見受けられます。何故ヒステリックな妻になるのでしょうか?それは話す内容も噛み合わず、
自分の常識を根底から疑うような場面が日々の生活の中で起こるからです。 それを正そうと挑んでみても、
こちらの気持ちや周りの人達の気持ちを理解してもらおうと努力しても、相手には伝わらないのです。
配偶者が自閉的であると、自己主張やこだわり、しつこさのために堂々巡りの会話が何時間も続くことがあります。
その結果、気分、感情の波が激しくなりヒステリックな妻になってしまうのです。 このような場合の夫は、
社会的適応は比較的良く、幼少期から周囲と異なっているという感覚は持っているが、知的レベルの高い人が多く、
本人の努力で一定以上の社会適応性を身につけています。その反面、家庭では本来の自分をさらけ出すため、妻や子供が迷惑を被ることになります。
外界から自分を閉ざしたパートナーと一緒にいると、姿は見えるのに存在が感じられず、
一緒に居ても妻は一人ぼっちのように感じるのです。
しかし、外から見るとパートナーは全てが普通であり、
むしろ他の人には、アスペルガー症候群・ADHDの行動に悩む妻は、あれこれ指示するえらそうな妻に見られてしまうことが悲しい現実があります。
穏やかな人もいれば、感情の起伏の激しい人もいます。一生懸命やっても仕事がうまくいかない人もいれば、
有名大学を卒業して大企業に勤務する人もいます。アスペルガー症候群(ADHDを含む)の人は
極めて論理的な思考の持ち主なので、構造化された環境で適職に就いた場合は、その力を発揮できる可能性があります。
アスペルガー症候群(ADHDを併存している場合を含む)の人は知的レベルが高いことも多いので、周囲が障碍に気づかず、
「ちょっと変わった人だな」と思われるだけで済んでいることもあるのです。
それ故に、カサンドラ症候群のパートナーは悩みを他者に理解してもらうことが難しいのです。同じ苦しみを抱えている方がたくさんいます。
もちろんアスペルガー症候群(ADHDを併存している場合を含む)の配偶者と上手く過ごせる人もいるかもしれません。
また、お子様のことや色々な事情から一緒に居ることを決めた人もいるでしょう。でも精神的に追い詰められカサンドラ症候群に陥ってしまった人が多くいるのも事実なのです。
お一人で悩まず足を運んで
いただければと思います。
私は法律事務所勤務時代の離婚相談やメンタルケアカウンセリングから得た知識をもって、
クライエント様の心の声を何か形にできないかと動き始めました。
パートナーがアスペルガー症候群・ADHDという障碍をもっていることを理解し受け入れ、
アスペルガーのパートナーと一緒に歩む道を選んだ方には、
心のケアやカサンドラ症候群からの回復の方法(認知行動療法・別居のすすめや離れることなど・・)を一緒に考え行っています。
また、別れを決めた後の生活に悩んでいる方には、法律的な観点からのアドバイスを弁護士と共に行っております。
相談に来られて、新しい未来を歩き始めたクライエント様から「先生ここに来て本当に良かった。 私のように悩み苦しんでいる人を一人でも多く助けてあげて下さい」と言っていただけています。 今後も私なりにできる援助をさせていただこうと考えています。
まずは、勇気を出して一歩を踏み出しましょう。言葉では表しにくい正体不明の違和感や存在についてお話を聞かせてください。
そして「自分だけじゃないんだ!」と希望を持って下さい。
今後、アスペルガー症候群・ADHD、カサンドラ症候群、離婚へ向けてのセミナーを順次、開催していく予定でおります。
是非、お一人で悩まず足を運んでいただければと思います。
